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2026/10/16 00:00


チリから帰ってきました。帰国直後の旅の総括というか所感を2回にわたって、お届けします。その後好評でしたら、各日程での詳細なお話もできたら面白いのかなと思っています。ぜひご感想などお気軽にお寄せください!

では、改めて。帰国して、14社連続商談、養蜂家の訪問など、振り返ることはいろいろあるのですが、真っ先に頭に浮かぶのは頂上に雪をかぶったアンデス山脈です。

標高6,000メートルを超える高峰が連なるアンデス山脈はサンティアゴの都会からも、地方へ向かうハイウェイからでも、常に見えます。むしろ、常に見られているように感じます。

構図としては、人知の及ばない超自然的なものが頭上にあり、その下で小さな小さな人間の営みがあるよう。美しさを感じると同時に、自分の力が及ばない巨大さに恐怖すら感じます。その恵みに感謝し、敬う気持ちになりました。

美しくも厳しいアンデス山脈に囲まれた暮らしでは、チリの人々は自然に対して敬虔で謙虚な姿勢になるのではないか?旅行中に生まれたこの問いについては、YES、いえ、スペイン語のSÍの方が適切ですね。後半のマリアさんの養蜂の様子はまさしくそれを体現していました。

また、実は私にとってチリは今回で3回目の訪問。1回目は首都サンティアゴとアタカマ砂漠、2回目はパタゴニアに行ったのですが、その時にはアンデス山脈は印象に残りませんでした。

当時は商社マンで自然とは無縁のビジネスの世界にいたことから、それに気づけなかったのだと思います。今は、はちみつを通じて、自然と関わり合いがあり、自分の中にそういった自然に対する敬虔な気持ちがあるから、見えてきたのだと、自分の認識の変化にも驚きます。



チリという国は、地図で見ると細長いですし、チリの方々もいつも自嘲気味に細長いと自称されるので、ついつい小さな国のように感じてしまいます。ところが面積は日本のおよそ2倍あります。たしかに細長いですが、小さいわけではありません。

北にはアタカマ砂漠があり、中部は地中海性気候で、農地やぶどう畑が広がる一大農業生産地です。そこから南へ行くと雨の多い森や湖が現れるパタゴニアに入り、さらに南には南極の氷河があります。乾いた砂漠から氷河までが、ひとつの国に収まっているわけです。今回は主に中部を訪ねましたが、以前旅したパタゴニアやアタカマ砂漠の景色を思い出すと、とても同じ国とは思えません。

しかも、東はアンデス山脈、西は太平洋、北は砂漠、南は氷河、その先の海を渡れば南極です。南アメリカ大陸の一部でありながら、山や海や厳しい自然の障壁によって周囲と隔てられてきた。そのことが、チリが独自の動植物の生態系を持つ理由です。

周囲から隔てられた土地で、その内側には、砂漠から森、氷河まである。そう考えると、チリ産のはちみつ、と一言でまとめるのは、ずいぶん乱暴なように思えます。どこに巣箱があり、周りに何が生え、いつ花が咲くのか。同じ国でも、それぞれ違います。3度目の来訪でそれが知識ではなく、肌感覚で理解できました。

もうひとつ意外だったのは、チリの地方の風景を見て、ニュージーランドを思い出したことです。

私は以前メキシコに住んでいたので、中南米と聞くと、どうしてもメキシコを基準に考えるところがあります。同じスペイン語圏のチリにも、どこか似たものを予想していました。

ところが地方へ行くと、広い農地や緑、遠くの山々、人の少なさが印象に残りました。メキシコとの共通点よりも、ニュージーランドとの共通点のほうが気になってきたのです。

チリの人口は約2,000万人で、日本の約6分の1です。面積が約2倍なので、国全体の人口密度は日本の約12分の1ほどになります。さらに、人口の約4割がサンティアゴを中心とする首都州に集中し、ほぼ無人の地帯が多くあります。地方で感じた人の少なさや土地の広がりにも、なるほどと思います。

ニュージーランド、幼少期住んでいたことがあり、親しみがある国です。日本の約4分の3の広さですが、人口約500万人と非常に少なく、時々ジョークとして羊のほうが人よりも多いと言われます。こちらもサザンアルプスが南北を貫き、広大な農地・牧草地、氷河やフィヨルドなど様々な景色が広がります。

似てると思ったのは直感で、これは今回調べたあと付けで、改めてデータや地形の特性を見て自分でもなるほどと思いました。また私がニュージーランドに住んでいた際のお隣がチリの方だったのも、何か面白い縁を感じさせます。

#2へ続く